平成26年度第4回AMICセミナー 開催報告
「“安全・フレキシブル・スケーラブル”新世代二次電池セミナー」

内容

(1)講演:全固体ポリマーリチウム二次電池の研究開発成果と応用展開について (14:05〜15:55)

    ・高度部材イノベーションセンター 技術連携コーディネーター 辻岡 寛 氏

【概要】AMICが、産学官の連携により取り組んできた、全固体ポリマーリチウム二次電池企業化プロジェクトについて、これまでの研究開発成果と今後の展開について説明を行った。この電池は、発火性の溶媒を含んでおらず=安全、折り曲げて使用することができ=フレキシブル、用途に応じて大きさを変えることができる=スケーラブル、“新世代二次電池“と言える。
 研究開発は第1フェーズ(基礎研究)、第2フェーズ(原型開発)を経て、現在第3フェーズ(事業化促進開発)の最終段階を迎え、電池の高性能化、電池製造技術の革新、市場性評価・市場開拓に取り組んでいる。
 本電池は、ニッケル水素電池、液体リチウム電池に比べて、サイクル寿命、安全性、高温特性に優位性を持つが、レート特性、低温特性では劣る。これまで、体積エネルギー密度の向上に力を入れてきたが、負極材料をを黒鉛系(人造黒鉛)に変え、水分管理、化成処理手法の確立などの工夫を重ね、目標値(200wh/L)にほぼ近づいている。
 適用するアプリケーションについては、電池内蔵冷蔵庫、電動アシスト付自転車、介護ロボットなどを考えている。
 今後は、平成27年度7月ごろのサンプル出荷に向け、関係機関と協議を重ねており、市場化に向けて一層力を入れていきたい。


セミナー1
講演の様子

セミナー2
講師:高度部材イノベーションセンター 技術連携コーディネーター 辻岡 寛 氏