プレス発表資料   平成23年2月14日
(連絡先)
 財団法人三重県産業支援センター北勢支所  伊坪、野村、小宮
 電 話 059−349−2205  FAX 059−349−2206
 e-mail amic@miesc.or.jp

「バイポーラ型積層電池」の試作開発に成功
−全固体ポリマーリチウム二次電池研究で新たな成果創出−
1 発表事項
 (財)三重県産業支援センターは、文部科学省の地域イノベーションクラスタープログラム(都市エリア型)三重・伊勢湾岸エリア「新世代全固体ポリマーリチウム二次電池の開発と高度部材イノベーションへの展開」において、これまでに「シート型全固体ポリマーリチウム二次電池」の開発に成功していますが、この度新たに、本電池を利用した「バイポーラ型積層電池」の試作開発に成功いたしました。

2 発表内容
研究開発体制
 (財)三重県産業支援センター、三重大学、三重県工業研究所、鈴鹿工業高等専門学校、キンセイマテック(株)、クレハエラストマー(株)、新神戸電機(株)、凸版印刷(株)、明成化学工業(株)
研究開発内容
(1)概要
 今回開発した「バイポーラ型積層電池」の「バイポーラ」とは、1枚の金属集電板の片方の面に正極活物質層を、他方の面に負極活物質層を形成した電極のことで、積層して電池を組み立てる際の内部抵抗を抑え、コンパクトで電圧の高い電池を作ることが可能となります。従来使われている有機電解液を用いた通常の電池では、液漏れや内部短絡等の問題により実現が困難でしたが、全固体ポリマーリチウム二次電池の技術を用いることにより、試作開発が実現しました。さらに、本ポリマー電池の特徴である、室温以下の低温でも作動し、安全で、薄く、折り曲げられる、といった特性をそのまま有しています。今後、急速な成長が見込まれるプリンタブル・エレクトロニクス分野等へ活用しうる電池として期待されます。
(2)試作電池の性能
 @ バイポーラ型積層電池の種類:2層積層型(3.6V)、3層積層型(5.4V)、4層積層型(7.2V)
 A 電池サイズ:A6(外寸)、電池厚み(外寸):600μm(2層積層型)〜1200μm(4層積層型)
 B 初期容量:60mAh
 C 放電レート:0.02C〜1C
 D 電池作動温度:0〜25℃の室温以下の低温でも作動可能
 E サイクル特性:300回以上(現在評価継続中)
今後の予定
 成果については、以下において報告する予定です。(http://www.miesc.or.jp/amic/cityarea/index.htm
 (1)産学官連携フォーラム2011(ホテルグリーンパーク津、2/21)
 (2)第2回国際二次電池展(東京ビッグサイト、3/2〜3/4)

写真 バイポーラ型積層電池
A6サイズ:電圧(室温) A6サイズ:LED点灯(室温)
  
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